今回は「なぜイギリスはEUを離脱したのか、今後どうなるのか」というテーマで書いてみたいと思います。
①なぜEUを離脱したのか
その理由として、移民問題が1番大きいと思います。
この問題を、移民の仕事・社会保障・治安の3つの観点から考えてみると分かりやすいです。
移民が増加すると、仕事が移民に奪われるのではないか、自分たちの治めた税金が移民の社会保障にたくさん使われるのではないか、など様々な懸念があります。
このような懸念はイギリスのEU離脱に大きく影響していると思います。加えて、当時の世界の流れを見ると治安の問題もかなり影響していると思います。
EU離脱の国民投票を行うことを決めた頃は、誰もイギリスが離脱を選択するとは思っていなかったと思います。しかし、EU離脱の住民投票が行なわれた2016年はたくさんのテロが起こりました。
1月にはパリとマルセイユ、3月にはブリュッセルでテロが起きています。特にブリュッセルのテロでは28人の方々が亡くなっています。
このような大きなテロがEUの中で起きたというのはイギリス国民の心情に大きく影響していることは間違いないと思います。
このようなテロがイギリスでも起きるのではないか、イスラム国がテロを起こすのではないかと不安になったイギリス国民は多かったと思います。
また、移民問題のほかにも、大英帝国としての誇りなど様々なものが影響していると思います。
②今後イギリスはどうなるのか
今後イギリスの経済はマイナス方向に進むと思います。
イギリスはEUに加盟していることで大きな利益を得ていました。それは関税です。関税がないというのは経済的に大きなメリットでした。日本企業がEUに進出する際、イギリスに現地法人を設立する企業が多かったです。
これは関税がないため、EUであればどこでも良いのですが、イギリスは英語が公用語であり、法人税が低かったなどの理由からイギリスに進出していました。その日本企業がどんどんイギリスから撤退しています(法人税の低いオランダに移転している企業が多い気がします)。
また、イギリスは金融政策を持っていました。EUの国々は共通通貨であるユーロを使っています。しかし、イギリスはユーロではなくポンドを使っています(イギリス以外にもスウェーデンやデンマークなどユーロを導入していない国もたくさんある)。
ユーロを導入すると一国では、金融政策を行なうことが出来ません。しかし、イギリスはユーロではなくポンドを使っているため、金融政策を行なうことができ、関税もかからないという、EUの良いとこどりの状態でした。
EU離脱によってイギリスはメリットのひとつである関税を失うことになります。関税を失うことになったイギリスは、アメリカや日本と2国間の通商条約を結ぶための事前協議を行なっていることが報道されています。
しかし、イギリスがEU以上にメリットのある通商条約を結ぶことができるのか、非常に疑問が残ります。
ただ、経済的にマイナスでありながらも、EU離脱を選択したイギリス国民の選択は尊重しなければなりません。経済よりも大事なことがある、ということなのかもしれません。
いずれにせよ、投票という究極の民主主義できまったEU離脱を実行したイギリスを尊重したいと思います。